1903年にマリー・キュリーが女性として初めてノーベル賞(物理学賞)を受賞しました。
その後、女性はどの分野で活躍してきたのでしょうか。
このページではノーベル賞の受賞分野ごとの女性受賞者数を紹介します。
すべての国のデータに加え、受賞者数が1位、2位のアメリカ、イギリスのデータを紹介し、国ごとで女性受賞者の割合が大きく変化すること見ていきます。
分野別女性受賞者数

このチャートはすべての国の分野別の女性、男性、団体の受賞者数を示したものです。
2025年までの全受賞者が対象です。
平和賞は個人だけでなく団体も対象となるため、男女だけでなく団体の受賞者がいます。
チャートから、女性は文学賞、平和賞の分野で受賞者が多いことがわかります。
一方で、物理学、化学、経済学においては女性の受賞者が全受賞者の5%未満と非常に少なくなっています。
このページは、これらのデータをもとに男女の能力差を示そうとするものではありません。
あくまで、現在のデータがどのようになっているかという事実を紹介することが目的ですので、ご注意ください。
国ごとの女性受賞者の割合の違い


上の2つのチャートは、それぞれアメリカ、イギリスの2025年時点の分野別の女性、男性、団体の受賞者数を示したものです。
アメリカとイギリスは受賞者数が1位と2位の国になります。
集計は受賞者の生まれた国をもとにしていますので、国籍ではない点にご注意ください。
アメリカのチャートで注目すべき点は、文学賞の女性割合の多さです。文学賞受賞者の30%が女性となっており、すべての国の場合よりも多くなっています。
そのほかの分野に関しては、女性受賞者の割合はすべての国の場合と同様の傾向となっています。
一方、イギリスのチャートを見てみると、驚くべきことに、どの分野においても女性受賞者が一人もいないことがわかります。イギリス国籍の女性の受賞者はいますが、イギリス生まれの女性受賞者はいないのです。イギリス生まれの受賞者は95名(団体を含めると97名・団体)ですが、これだけ受賞者がいるのに女性が一人もいないのは意外です。
なぜ女性受賞者は文学賞・平和賞に多いのか?
一般的には、以下の理由から文学賞と平和賞の受賞者に女性が多いと言われています。
- 教育・研究機関へのアクセスの差
- 以前は自然科学分野で成果を上げるには、大学や研究所などへの所属が不可欠だったが、歴史的に女性はこれらの機関に所属できないことがあった
- 一方、文学や平和活動は、組織に属さない個人としての継続が可能だったため、女性が実績を残しやすい環境だった
- 選考対象となる活動の性質
- 文学賞: 個人の感性や洞察力が評価の対象であり、学位や役職といった社会的地位に関わらず、作品そのもので評価されやすい分野である
- 平和賞: 人道支援や草の根の社会運動など、伝統的に女性が重要な役割を担ってきた領域が評価の対象となるため、女性の貢献が可視化されやすい傾向がある
終わりに
このページでは分野別の女性受賞者数を紹介しました。
上述の通り、これまでは文学賞、平和賞以外では女性の受賞者は少なかったですが、21世紀になってからは他の分野でも女性受賞者が増えてきています。すでに成果を上げていて、受賞の「順番待ち」になっている女性研究者もいると思いますので、今後は各分野の女性受賞者が増えていく可能性があります。